能登國羽咋唐戸山相撲

昭和五十九年

ビデオ撮影そして「郷土の相撲展」


町中の案内ポスター

東川吉嗣


問ひ合はせ
  羽咋から歸つて後、折に触れては羽咋神社の唐戸山相撲のことについて調べてみた。そして、見物できるものならば、一度觀てみたいと想ふやうになつた。そこで、羽咋市の觀光課へ問ひ合はせの手紙を出した。その主旨は
  初めて羽咋を訪れて、羽咋神社で唐戸山相撲の懸額を見て神事相撲のことを知つた。
  見物できるものならば一度見に行きたい。
  いつ、どこで、どんな手續をすればよいか。
  見物に便利な旅館があれば紹介して欲しい。
  唐戸山相撲に關する資料があれば複冩して送つて欲しい。複冩料金は同封したものから清算して欲しい。
  これに對する羽咋市商工觀光課からの回答は、親切極まる有り難いもので、『唐戸山相撲史』一冊、羽咋市案内、羽咋市民宿案内、千里濱案内の各パンフレットのそれぞれ關係箇所に付箋を付けてくれてある。さらに、五十八年の唐戸山相撲のビラ、「羽咋市街地案内略圖」、「旅館案内の地圖入りビラ」、「民宿ビラ」なども添えられてゐた。
 
ビデオ撮影
  唐戸山相撲をまだ見たことはないものの、いつ、どこで、どんなことが行はれてゐるのか、おおよそのことはお勉強したので、一度は見に行くぞと心に決めた。そして、どうせ行くなら、ヒョッとして二度と行く機會がないのかも知れないからと、ビデオで記録することにした。このころは個人用のビデオカメラは値段も高く、自分は扱ふた事もなかつたので、知り合ひの漫畫家齋藤氏に手傳ふて貰ふこととした。齋藤氏はアニメーション映畫の蒐集家でもあり映像記録についてはお手の物である。機材は色々と調べた末、金澤の友人に依頼して、金澤の貸し道具屋「レントピア」を探して貰つた。
  旅館は羽咋市から送つて貰ふた市街地圖と旅館一覧を見て、羽咋神社と唐戸山の丁度中間にある「旅館かくだ」へ予約を入れた。一方、唐戸山相撲協會へはビデオ撮影をしたいのでと、許可を申し込んだ。
  九月二十四日、月曜日、齋藤氏と二人で電車で金澤へ到着。金澤の友人に迎へられ撮影機材を借りに行く。機材はカメラ、蓄電池、充電器、三脚といづれもかなりの重さである。そのまま友人の車で羽咋へ連れて行つて貰ふ。
  齋藤氏は直ちに機材を點檢して、繋いで扱ひ方を練習する。
  二十五日の當日、午前中は小雨模樣だが、午後には晴れる。齋藤氏は早朝から唐戸山へ行き準備状況などを撮影。自分は市役所の觀光課を尋ねて挨拶。記念の相撲切手貼り込み帳をくれる。羽咋郵便局の製造で外側は唐戸山相撲の錦絵と相撲甚句が印刷され、内側には相撲切手が貼り込んである。
  この年の前相撲には花籠部屋の本職力士と呼び出し三郎が招待され、三郎は「兩國國技館の最後」を讀んだ相撲甚句を披露した。
  今回の撮影に當り、羽咋市商工會の橋本さんはじめ多くの方に色々と優遇して戴き本當に感謝してゐる。神社本殿での撮影でも、かなりの優遇をして戴いた。
  この時の冩眞の一部を紹介します。それぞれ冩眞が閲覧できます。(昭和五十九年九月二十五日撮影)
「郷土の相撲展」
  丁度この年は羽咋市歴史民俗資料館で「郷土の相撲展」を開いてゐたので、「唐戸山相撲に關する資料集」のやうなものがあるかどうか、問ひ合はせたところ、開催中の展示會の案内を送つてくれた。十一月三日、富山への用があつたので、足を伸ばして羽咋へ行くことにした。金澤の友人に頼み込み、車で羽咋の歴史民俗資料館へ連れて行つて貰ふた。
つけたり
  このページの最初に擧げた繪は羽咋の町中に貼られてゐたポスターである。この後、何度も唐戸山相撲を觀に行く事となるが、この年のポスターが一番良いと氣に入つてゐる。
  この時のビデオ撮影は、當時の撮像管の性能が良くなかつた事から夜の部はほとんど暗がりの状態で繪にならなかつた。強力な照明が必要であつた。
參考
○羽咋市商工觀光課
  石川県羽咋市旭町ア200番地
  電話番號(0767)22-1111
羽咋市歴史民俗資料館平成二十三年九月二十日、接續確認
  石川県羽咋市鶴多町鶴多田38番地1
  電話番號(0767)22-5998

玄關ページ
この網上葉の經過
○平成二十三年九月二十日、電子飛脚の宛先および引き紐の一部を修正。
○平成十七年正月二十五日、玄關への引き紐を訂正。
○平成十六年七月十六日、接續確認更新。
○平成十五年拾月二十三日、電子飛脚の宛先更新。文章も一部修正。
○平成十五年拾月五日、更新。
○平成十二年八月二十九日、掲載。
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